アンケートは、ウェビナー参加者のニーズを掴むのに役立つ重要なツールです。しかし、ただ定型通りのアンケートを行っても、自分のプロジェクトに対して大きな意味のある回答を得ることは難しいでしょう。そこで、自社のマーケティングに役立てられるウェビナーのアンケートの作り方や質問例、回答率を上げるコツなどをご紹介します。
・見込み顧客の育成に役立てる
・ウェビナーの改善に役立てる
ウェビナーアンケートの大きな目的は、参加者のニーズを掴み、今後のアプローチ方法に役立てることです。もちろんニーズを知ることは、見込み顧客を知ることにもつながります。今後のビジネスチャンスにつなげることもできるでしょう。
アンケートを通じてウェビナーの内容やコンテンツへの評価、全体の満足度などを把握し、改善点を洗い出すことで、次回以降に生かすことができます。
ウェビナーアンケートをとる方法は2種類あります。それぞれの方法についてご紹介します。
多くのウェビナーツールにはアンケート機能が搭載されています。これらを活用すれば、一つのツールでウェビナーとアンケートをまとめて完結させることができます。
ウェビナー終了時に自動的に参加者の画面にアンケートが表示され、回答してもらうパターンのほか、ウェビナー中に投票してアンケートを取る形のものもあります。このような機能には自動集計もついていることが多くあります。さらに出力機能もあれば、自動で集計結果が出るので、分析までスムーズに行えるでしょう。
ただし、アンケート機能が標準搭載ではなくオプション費用が必要な場合もあるので、事前に確認をすることをおすすめします。
ウェビナーツールとは別の外部アンケートツールを使用する場合には、事前にWEB上でアンケートを作成し、回答者にURLを送信したり、ウェビナーの画面上にQRコードを表示し、回答してもらう形式が一般的です。無料のツールから、高度な集計・分析機能がついた有料のものまでさまざまなタイプがありますので、欲しい機能が搭載されているツールを探すとよいでしょう。ただし、ウェビナーツールと連携できないため、手間や時間がかかる点に注意が必要です。
1. 目的を具体的に定める
2. ターゲットを細かく設定する
3. 個人情報などの基本の設問を決める
4. 参加者のニーズを掴むための設問を決める
5. プライバシーポリシーを明記する
ウェビナーアンケートは、上記の5段階をふまえると過不足なく作成できるでしょう。具体的な内容を順番にご紹介します。
大きな目的は前述した通りですが、その中でも具体的にどの目的に絞って実施するのかを決めておくことが重要です。アンケートの方向付けができると、質問が作成しやすく効果も出やすくなります。
【目的例】
・参加者の興味や課題などを引き出す
・紹介した商品やサービスの価値を向上させる
・客目線での商品やサービス、自社の強みを知る
・ウェビナー自体の満足度を高めるため、ウェビナーの評価を知る
ターゲットは具体的に設定します。性別・年齢・職業などの基本事項はもちろん、ライフスタイルや考え方などまで詳しく設定しておくことで、アンケートの方向付けがしやすくなります。ターゲット設定はウェビナーの内容を決めるのにも必須ですので、必ず行いましょう。
参加者の連絡先やウェビナーを知ったきっかけなど、基本の設問を決めましょう。名前や電話番号、住所などを入手することで、ウェビナー後にDMや案内を送付してアフターフォローに役立てることができます。また、ウェビナーを知ったきっかけを知れることで、有効な宣伝の仕方が分かります。
参加者がビジネスにおいて何に困っているのか、商品やサービスに対してどう感じたか、ニーズを掴むための設問を決めます。ウェビナー自体の満足度や要望などを把握できる内容にしましょう。また、今後のアプローチやマーケティング、商品やサービス自体のブラッシュアップに役立てられるような質問を設けることも忘れないようにしましょう。
個人情報の取り扱いには注意が必要です。アンケートには個人情報の利用目的や、第三者への情報提供はしないことを必ず書面に明記するようにしましょう。また、アンケートにメールアドレスや電話番号、住所を記入してもらう場合には、案内を送付してもよいかどうか、本人の意思を確認する項目を必ず設けるようにします。
・参加者の個人情報
・ウェビナーを受講しやすい曜日や時間帯
ウェビナーアンケートでは、個人情報やウェビナーを知った経緯など基本的な事項に関する設問を設けます。実際に作成する際に役立つ、基本の設問と質問例をご紹介します。
氏名・職業・性別・年齢・住所・連絡先といった個人情報は、次回以降のウェビナーの案内を出したり、連絡をとったりするために必須の情報です。アンケートの回答を見れば、どのような層の人がウェビナーを受講してくれているのかが分かり、今後のペルソナ立てにも役立つでしょう。また、プライバシーポリシーを明記し、案内やDM等を送っても良いか質問する項目も忘れずに設けます。ウェビナーの申込時に個人情報を取得している場合は、アンケート側では入力項目を省略し、メールアドレスや電話番号など事前の登録内容と紐づけする為の項目に絞りましょう。
質問例
あなたのお名前やご連絡先をご記入ください。
このアンケートはマーケティングや次回のウェビナーに役立てることを目的としており、結果は統計的に処理されます。特定の個人が識別できる情報として第三者に提供することはございませんので、ご安心ください。
お名前( )
フリガナ( )
ご職業( )
性別 男性・女性
年齢 10代・20代・30代・40代・50代・60代
電話番号( - - )
メールアドレス( )
今後、上記のメールアドレスにDMをお送りしてもよろしいでしょうか?
□はい □いいえ
ご住所( )
今後、上記の住所にご案内を送付してもよろしいでしょうか?
□はい □いいえ
次回以降の参加者を増やすだけでなく、参加人数を維持していくためには、ターゲット層にとって受講に都合のいい日程を把握することが大切です。どのような日程、時間帯であれば参加しやすいのかについても、忘れずに設問を設けましょう。
今後ウェビナーを開催する場合、参加しやすい日程や時間帯があれば、以下から選択してください。
□平日 □休日
□午前中 □午後 □夕方
・ビジネスの課題や困っていること
・商品やサービス、会社について
・ウェビナーへの満足度や意見・要望
参加者のニーズを掴むためには、上記のような内容を取り込んで設問するとよいでしょう。それぞれについて、具体的な質問例を含めながらご紹介します。
参加者がビジネスにおいて直面している課題や、何に困っているのかを知ることができれば、今後のマーケティング戦略の立案やアプローチに役立てることができます。課題を解決するための具体的な施策につなげられるよう設問を考えましょう。
質問例
ビジネスにおいて、どんなことを解決したいと考え、ウェビナーを受講しましたか?
( )
他にウェビナーで取り上げてほしいテーマがあればお書きください。
( )
現在ビジネス上でお悩みの点や、困りごとがあればお書きください。
( )
商品やサービスに関する質問を入れて、品質向上に役立てましょう。商品やサービスを知ったきっかけや、シリーズ中で好きなもの、購入している場所などを質問に入れます。また、似た商品やサービスで興味のあるもの、実際に購入したことがあるものなども質問に含めるとよいでしょう。
質問例
この商品・サービスを知っていましたか?
□はい □いいえ
購入したいと思いましたか?
□はい □いいえ
どこでこの商品を知りましたか?
□テレビ
□新聞
□ラジオ
□雑誌
□インターネット広告
□ホームページ
□SNS・ブログ・メールマガジン
□ダイレクトメール・チラシ
□店員の説明
□交通広告・看板
□家族・友人・知人
□その他
ウェビナー自体に求めることや内容に関する意見を収集できると、次回の開催に向けてブラッシュアップできます。答えやすいよう5段階評価で回答してもらいましょう。また、「不満」と答えた参加者には、なぜ不満と感じたのか、意見や要望を求める項目を設けると、問題点や改善点を具体的に把握することもできます。
質問例
本日のウェビナーの満足度を5段階で評価してください。
□大変満足 □満足 □普通 □やや不満 □不満
「不満」「やや不満」と答えた方は具体的にそのように感じた点があればお書きください。
( )
本日のウェビナーで1番役に立った情報は何ですか?
□項目① □項目② □項目③ □項目④ □項目⑤
参加者が何を求めているのかを分かれば、次回のウェビナーの方向性を定めることもできます。自由に記載してもらってもよいのですが、質問の狙いからポイントのずれた回答になる可能性もあります。選択肢を作成しておくことや、回答例を記載しておくと答えやすくなるでしょう。
質問例
今後ウェビナーで取り上げて欲しい内容はありますか?
例.「サービスの具体的な活かし方について教えてほしい」など。
( )
・アンケートの通知・実施のタイミングを工夫する
・質問を厳選して優先順位をつける
・情報量をおさえる
・選択式の設問を多めに作る
・自由回答には回答例を用意する
・回答者への特典を用意する
・導入文を工夫する
・平易な言葉を使う
アンケートを実施しても、すべての参加者が回答してくれることはありません。少しでも多くの人に回答してもらうために、回答率を上げるコツを知っておきましょう。
ウェビナーは、対面式のセミナーに比べてアンケートの回答率が低い傾向にあります。そのため、アンケートへの回答依頼は複数回通知し、なるべく回答してもらえるようにするとよいでしょう。また、配信直後にアンケートURLリンクを送付したり、自動的にアンケート回答画面に切り替わるように設定したりしておくのもおすすめ。参加者がわざわざアクションを起こさなくてもアンケートに答えられます。
ウェビナー終了後は、その後に他の予定が入っているなどの理由で、すぐに離脱する人もいます。終了後ではなく休憩時間後など、セミナー中にアンケートの回答時間を設けて書いてもらえるよう、あらかじめタイムスケジュールを組んでおくのもよいでしょう。さらに、セミナーの途中で質問を投げかけ、それに対して回答や投票をしてもらい結果を発表するといった参加型の形式にして、アンケート自体をウェビナーに取り込んでしまうのもコツの一つです。この方法は飽きづらくなり、途中離脱防止にもなります。
アンケートでは、目的に沿って必要な質問だけを残しておくようにしましょう。特に、終盤の質問は回答率が悪くなります。最初のほうの質問にはよく考え回答している場合でも、アンケートが長く続いてくると飽きてしまい、回答の質が悪くなることもあります。優先順位の通りに質問を並べると大事な質問に答えてもらいやすく、精度の高いアンケート結果を得ることができるでしょう。
質問数が多すぎると回答が億劫になってしまいます。アンケートから多くの情報を得たいと考えると、つい質問の数が多くなりがちです。しかし、質問数が多いことと、欲しい情報が得られることはイコールではないことを理解しておきましょう。むしろ質問の回答数より回答率のほうが重要であることを念頭に置き、本当に必要な情報に絞ってアンケートを作ることをおすすめします。
自由回答よりも選択式の設問が多いほうが、回答率が上がります。質問の数が多い場合でも、選択式であれば回答しやすく短時間で行えるため、回答者の負担も軽くなるでしょう。ラジオボタンやチェックボックスを設けるなどして、視覚的に答えやすいよう工夫をすることも忘れずに。また、選択式の設問は集計しやすく、後から分析する際も簡単に行えます。
自由回答では差しさわりのない一般的な回答や、的外れな答えが返ってきやすい傾向があります。参加者の潜在的なニーズを知るためにも、答えやすくなるよう工夫をすることが重要です。「自由にお書きください」と質問されると、どのように書けばよいだろう?と迷いやすいため、回答例を記載しておくとよいでしょう。
また、「~~という意見もありますが、どう思いますか?」など前提を含めて質問するのも、本音を引き出す方法としておすすめです。
回答者のみに特典をつけ、アンケートに回答することによるメリットを提示してみましょう。アンケートに回答するには、時間や手間が必要になります。何かメリットがなければ回答したくない、と考える人も一定数います。資料や動画のダウンロード、ノベルティのプレゼント、無料トライアルの利用、次回のウェビナーの参加費割引など、ウェビナーに関連する特典を用意して、アンケート回答率アップにつなげましょう。
アンケートの導入文によって、印象を変えることもできます。参加者に気持ち良くアンケートを書いてもらえるよう、書き出しに気をつけましょう。なぜアンケートを実施しているのか、その目的を記載することで「それなら、アンケートに答えよう」と感じてもらえる可能性が高くなります。仕方なく回答するのではなく、「ぜひ回答したい」「次回に役立つのであれば回答したい」と感じさせるような導入文を用意しましょう。
専門用語ばかりで分かりづらいアンケートでは、答えることが億劫になり、適当に回答してしまったり、回答率が下がってしまったりすることもあります。ウェビナーの内容や雰囲気に合った言葉や専門用語であっても、平易な言葉で分かりやすく記載しましょう。ウェビナーに参加した人が気軽に本音で回答できるよう、なるべく簡単で読みやすいアンケート作りを心掛けることが大切です。
ウェビナーのアンケートについてご紹介しました。たかがアンケートと考えがちですが、参加者のニーズを掴むためには欠かせないツールです。ただ、すべてのウェビナー参加者がアンケートに回答してくれるわけではなく、回答者が本音を真摯に答えてくれるとも限りません。そのため、答えやすく、「本音で回答したい」と思えるようなアンケートを作成することが大切です。
何度かウェビナーを開催する中で、参加者が減ってきたり、アンケート回答から満足度が下がったりしてきているようであれば、ウェビナーの開催方法自体を変えることを検討するのもおすすめです。例えば、バーチャル空間での開催など。
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