バーチャルイベントを開催するにはバーチャル空間を提供するプラットフォームが必要になります。ただ、どのプラットフォームを選ぶかによってサービス内容やできることが異なるのが悩みどころ。このコラムではプラットフォームを選ぶ基準や、利用するメリット、選び方のポイントなどを解説します。
バーチャルイベントとは、Web上のバーチャル空間で開催されるイベントを指します。イベントの種類としては、各種セミナー、展示会、見本市、説明会、音楽ライブなど。
【バーチャルで開催できるイベント例】
・展示会
・IR関連イベント
・プライベートショー
・就活イベント
・商談会
・学会 など(詳しくはこちらをご参照ください。)
リアルで行われてきたこれらのイベントが、3DCGやVRなど最新技術を駆使することで、実際に集まることなく、仮想空間上でも楽しめるようになりました。
近年、バーチャルイベントの需要が高まっている背景としては、このようなデジタル化の推進はもちろん、新型コロナウィルス感染拡大で対面式でないイベント開催が必要とされるようになったことも要因の一つといえます。
また、バーチャルイベントをリアルイベントと同時開催で行ういわゆるハイブリットイベントも増加しています。
バーチャルイベントのプラットフォームとは、バーチャル空間でイベントを開催するにあたって欠かせないソフトやサービスのことです。バーチャルイベントのプラットフォームには、一般的な動画配信機能に加えて、イベントをスムーズに開催するためのさまざまな機能が搭載されています。
【バーチャルイベントプラットフォームの機能例】
・イベントブースの作成・展示
・テキストチャット・ボイスチャット機能
・来場者の管理
・顧客情報や行動履歴など各種データの取得・蓄積 など
それぞれのプラットフォームによって接続可能人数や対応デバイスが異なります。プラットフォームを選ぶ際は、開催予定のイベントで実現したいことを明確にして検討しましょう。
名称 | 料金 | 特徴 |
ZIKU(ジクウ) | 初期費用50万円、1ブース16.5万円~(税抜) | アバターで3D空間上の会場を歩ける、これまでにないイベント体験 |
XRCLOUD(エックスアールクラウド) | 100名イベント60.5万円~(税込) | 独自の通信技術で大規模同時接続エンジンを搭載 |
そのまま展示会 | パッケージプラン198万円~ | 映し出されるバーチャル空間にはソニークオリティーの3DCGを採用 |
V-MESSE(ブイメッセ) | 準備~本番運用で1か月利用の場合一式300万円~ | 展示会開催に当たっての運営をトータルして支援 |
meet×meet(ミーツ) | 一万人規模イベント150万円 | 出展ブース担当者の顔をアイコンで表示、ヒト気を感じられる空間 |
VRmillion(ヴァーミリオン) | 500人規模イベント100万円 | 専用アプリのダウンロード不要で手軽にアクセス |
Event BASE (イベントベース) | 基本料金50万円~ 各種問い合わせ | 出展者と来場者、もしくは来場者同士が集まれる交流ラウンジ機能搭載 |
<特長>
・簡単な3Dバーチャル空間作成
・インタラクティブなコミュニケーションが可能
展示会場やブースは、テンプレートが用意されています。そのため、デザインなどを選択し、アップロードするだけで、3Dバーチャル空間が簡単に作れるのが特長です。
また、出展社の担当者は、ブース内をアバターで歩いている来場者に、音声で声を掛けることもできます。そのようなインタラクティブなコミュニケーションを実現する機能が充実しています。
【提供会社】株式会社ジクウ
【URL】https://ziku.inc/
<特長>
・大勢が1つの空間に同時に接続することが可能
・利用デバイスによる障壁が少ない
独自の通信技術で大規模同時接続エンジンを搭載しているため、一つの空間に大人数で同時に接続できます。接続するデバイスはパソコン、スマートフォンどちらでもOK。アバターは自由に動きまわることが可能で、音声会話やテキストチャットを用いてコミュニケーションを取れます。
【提供会社】monoAI technology株式会社
【URL】https://xrcloud.jp/
<特長>
・ソニークオリティの3DCG
・出展者自身でコンテンツの入れ替えが可能でスムーズな運営が可能
マーケティング活動の効率化につながるよう、来場者の属性情報だけでなく、何を閲覧したかまで情報を詳細に取得できます。また、映し出されるバーチャル空間にはソニーグループのハイクオリティーな3DCGを採用しているため、回遊性が高く、来場者の長時間滞在が期待できます。
【提供会社】SoVeC株式会社
【URL】https://www.sovec.net/sonomama/tenjikai/index.html
<特長>
・使用が簡単、低コスト、短納期
・企画から運営をトータルで支援
コンテンツ、納期や費用などに応じたブースの設計が可能です。来場者の閲覧したコンテンツなど詳細な足跡の把握が可能なため、アフターフォローのWeb営業も行いやすくなります。イベント企画、コンテンツ企画まで、展示会開催の運営をトータルして支援します。
【提供会社】凸版印刷株式会社
【URL】https://content.v-messe.jp/info/index.html
<特長>
・大規模な展示会でもゾーン検索で出展企業を探しやすい
・商談機会創出にこだわり、顔が見える出展ブースに
出展ブース担当者の顔をアイコンで表示することで、バーチャル空間でありながら”ヒト気”を感じられます。オンラインでもオフラインかのような話しやすさを実現しました。また、小規模なイベントだけでなく、大規模な合同展示に対応可能。LIVE配信セミナー、動画配信もできます
【提供会社】株式会社 大伸社
【URL】https://service.meetxmeet.com/
<特長>
・Webブラウザで実施可能
・主催者と出展者の調整作業が少なめ
バーチャルイベント開催に必要なインフラ環境や機能を備えているほか、会場やブースのCG素材のテンプレートもあるため、簡単にバーチャル展示会を開催できます。アバターは自由に移動でき、専用チャットを通してコミュニケーションが可能。専用アプリのダウンロードは必要なく、Webから手軽にアクセスできます。
【提供会社】カコムス株式会社
【URL】https://www.kacoms.co.jp/solution/visual/vr_exhibition/
<特長>
・小規模~大規模まであらゆるイベントが可能
・リアルタイムで来場者の動きを分析
数百社で構成される大規模な展示会から、一社で開催する小規模なイベントまで、あらゆるイベントに対応。出展者と来場者、もしくは来場者同士が集まれる交流ラウンジ機能で、意見交換、ワークショップをすることが可能と、コミュニケーションを取りやすい環境が整えられています。
【提供会社】株式会社ストラーツ
【URL】https://www.web-eventbase.com/
・低コストで開催準備の負担が少ない
・機能が充実していて商談獲得率アップにつなげやすい
・来場者データが取得できる
リアルイベントでは難しかったことでも、バーチャルイベントだからこそ可能になることもあります。さらに、バーチャルプラットフォームを利用することで時間やコスト、手間を大幅に削減することが可能です。
バーチャルイベントは、リアルなイベントと違い、リアル会場の準備にかかる費用や人件費がかかりません。今や必須となった感染症対策を行う必要がない点も大きな特徴です。
ただし、バーチャルイベントを開催するにはバーチャル空間を準備する必要があります。自社で一からバーチャル空間を準備するとなると、高額な費用や手間がかかりますので、あらかじめテンプレートが用意されているプラットフォームを利用することがおすすめです。そのようなプラットフォームには、来場者事前登録やメール配信機能など、便利な機能が搭載されていることが多いため、スムーズなイベント開催が可能です。
商談獲得においてコミュニケーションを取ることは大事な要素の一つです。プラットフォームでは、チャット機能やマッチング機能、名刺交換やアポイントメントを取る機能などが搭載されています。来場者と主催者で双方にコミュニケーションを取る環境が整っているため、次回の商談につながりやすい傾向にあります。
また、バーチャルイベントでは、アバターでバーチャル空間の会場を歩き回るなど、よりリアルに近い体験ができます。これにより、イベントの回遊率や滞在時間がUPし、会話のチャンス自体を増やすことができます。
デジタルな会場運営・会場参加のため、来場者データを詳細に把握しやすいのもバーチャルイベントの特徴の一つ。プラットフォームでは、来場者の業種や年代などの個人情報や行動履歴、滞在時間、視聴数などのデータがリアルタイムで取得可能です。
来場者データから、来場者の興味や嗜好が分析でき、提案やマーケティング活動に活用できます。そのため、商談につながりやすく、次回のイベント内容やアフターフォローにも活かせます。
・イベント規模
・視聴環境
・必要な機能
プラットフォームは、収容可能人数が多ければ良いというわけではありません。イベントの開催目的や欲しい機能を明確にし、イベントに合ったプラットフォームを選びましょう。
開催予定のイベント規模から想定される来場者数に合わせて、プラットフォームを選びましょう。対応可能人数が多ければ多いほど費用も高額になる傾向があるため、過不足なく来場者人数に合わせてプランを選べるプラットフォームがおすすめです。
イベントのターゲット層にとって使いやすい視聴環境に対応しているプラットフォームにすることが重要です。ビジネスユーザーが対象のBtoB向けイベントの場合はPC対応、学生向けの就活イベントや一般消費者向けのイベントの場合はスマホ対応のものがおすすめです。どのデバイスに強いツールか事前に確認しておきましょう。
また、イベント参加方法としてウェブブラウザ型とアプリインストール型があります。ウェブブラウザ型は、端末やOSの種類を気にせず、普段使っているブラウザソフトから簡単に閲覧可能。一方、アプリインストール型はインストールなどの手間はかかるものの、ウェブブラウザ型よりできることが多い傾向にあります。双方の特徴を理解し、利便性に応じて選択しましょう。
どのようなイベントを開催したいかによって必要となる機能は変わってきます。例えば、講演会を行うならYouTubeなどの動画配信ツールやZoomなどのWeb会議ツールと連携しているか、3DコンテンツにこだわりたいならARやVRに対応しているか確認するとよいでしょう。イベントの目的や対象を明確にし、費用対効果の観点からよく検討してください。
・展示会
・IR関連イベント
・プライベートショー
・就活イベント
・商談会
・学会
バーチャル空間上では様々な種類のイベントを開催することが可能です。ここでは、集客も含め、バーチャルで開催する場合のメリットをイベント例ごとに紹介します。ただし、バーチャルイベントはバーチャル空間が開催場所となるため、遠方からでも参加可能なことがすべてのイベントの種類に共通する大きなメリットです。
展覧会、博覧会、国際展示会などはバーチャルイベントと好相性です。複数企業がバーチャル空間に出展し、製品やサービスのPRを行います。また、来場者は興味のあるブースに訪れ、出展社とコミュニケーションを取ることができます。
【バーチャルで開催するメリット】
・通常のオンラインイベントに飽きている顧客にアピールでき、来場者数増加が見込める
・来場者・出展社が双方向にコミュニケーションを取りやすく、顧客と関係構築できる
・クロスセル、アップセルを狙った声がけ・営業活動ができ、商談獲得率が上がる
投資家向け共同説明会や製品展示付き株主総会を開催するにあたって、自社の魅力や情報を提供する環境が整ったバーチャル空間は開催場所として適切です。また、遠方からも参加可能なため参加率が増え、より多くの人に情報を発信できます。
【バーチャルで開催するメリット】
・展示ブースを使って、よりリッチにその企業の情報を提供できる
・動画での説明以外にも、補足資料の掲載や、新製品の情報などを提供できる
会社主催のサミット、内覧会などを単独企業がバーチャル空間で開催することで、ブランディングにつながります。バーチャル空間に設けたブースで、新製品や新サービスのPR、3DCGやVRを駆使した展示など、これまでにない体験を提供することが可能です。
【バーチャルで開催するメリット】
・新しいイベント体験により他社との差別化を図れる
・能動的なコミュニケーションを通じて顧客との関係強化につながる
就活セミナー、転職フェア、会社説明会などの就活イベントをバーチャルで行うことで、ビデオや画像を使った展示の工夫が可能になり、効果的に自社をPRできます。単独企業の説明会、または複数企業が合同で説明会を開催することも可能です。
【バーチャルで開催するメリット】
・遠方からも参加しやすく、自社と就活生のマッチングの可能性が広がる
・アバターを介した会話や座談会スペースの設定など、コミュニケーションが取りやすい
・バーチャル空間を利用したコンテンツの工夫により、効果的な企業アピールができる
商工会主催マッチングイベント、ビジネス交流会、見本市などのBtoBイベントは、それぞれの目的が明確であり、マッチングが鍵となるイベントです。これらのイベントをバーチャルで行うことで、遠方から参加しやすくなるなど、マッチングの可能性が広がります。
【バーチャルで開催するメリット】
・リアルイベントのように偶然の出会いを創出できる
・遠方からも参加しやすく、マッチングの可能性が広がる
・来場者・出展社が双方向にコミュニケーションを取りやすく、顧客と関係構築できる
シンポジウムやセミナー、講演会、オンラインで行われるウェビナーに飽きているお客様にとって、没入感のあるバーチャルイベントは能動的に参加できるイベントです。コミュニケーションを取る場があることで、見て終わりのイベントではなく、研究者間のコネクションを構築するチャンスの場にもなります。
【バーチャルで開催するメリット】
・没入感があるので、イベントに能動的に参加してもらえる
・講演以外の場でも、参加者と登壇者との双方向コミュニーションを生み出せる
バーチャルイベントは近年最も注目されているイベントの形です。新しい分野への参入は企業のイメージアップにもつながる反面、実際どのようにして開催するのかイメージが湧きづらく、ノウハウのない企業は不安を感じるケースも多いでしょう。そのような場合におすすめなのがプラットフォームの利用です。サポートが充実していることも多く、初めてのバーチャルイベント開催でも安心です。
ZIKUではシンプルな操作で簡単に3Dバーチャル空間が作ることができ、初めてでも取り組みやすいサービスを提供しています。バーチャルイベントを検討されている方はぜひお問い合わせください。