メタバースを使った活動に興味がある、または、メタバースを使った活動に取り組もうと思っている事業者様へ向けて、メタバースの新規構築・制作にかかるコストとプラットフォーム利用料の違いなどを説明します。また、知っておきたい注目のイベント事例もご紹介しますので、メタバースを活用してイベントを成功させましょう。
メタバース(Metaverse)とは、インターネット上に構築された3D仮想空間のことです。利用者は自分の分身である「アバター」を使って、メタバースの中で他者と交流しながら物理空間を超えた活動ができます。
最近では多くの企業がメタバースに関心を寄せ、イベントや展示会などが開催されています。
・自社で新たにメタバース空間を構築する場合
・既存のプラットフォームを利用する場合
メタバースの費用は、自社で一から空間を構築する場合と、既存のプラットフォームを利用する場合で大きく異なります。それぞれの特徴や費用についてご紹介します。
内容や仕様によるが、数百万~1000万円以上。
制作会社に発注してメタバース空間を一から構築する方法です。自由に設計できるため企業の独自性を出しやすいことが特徴。イベントにあわせ細部にわたってこだわりを追求した空間を構築できるでしょう。
しかし、比較的高額なコストがかかる傾向にあるのが難点です。構築にあたってある程度の開発期間も必要で、すぐにメタバースを利用したい場合には向いていません。
プランや規模によるが、大規模なイベントでは100万円~1000万円。
メタバースサービスを提供している会社のプラットフォームを利用する方法です。デザインが決められているため一から自由にカスタマイズできないものの、自社構築よりも手軽で始めやすい方法といえるでしょう。
費用については、無料のプラットフォームもあるものの、制限が多くできることが少ないケースがほとんどなので、有料がおすすめです。
有料のプラットフォームには、便利な機能があらかじめ搭載されたものも多く、運営をよりスムーズにしたり、開催による効果をより大きくしたりすることが可能です。有料の場合でも、自社開発に比べてコストはかなり抑えられる傾向にあり、すでに設計されているテンプレートやパッケージを利用するため導入も楽に行えます。
費用は、来場者数・ブース数・オプション機能などに応じて変わります。また月額、年額プランが用意されているものもあるため、利用頻度に合わせて選ぶとよいでしょう。
・活用された実績
・料金プラン
・サポート体制
既存のプラットフォームを選ぶ際のポイントについてご紹介します。主なプラットフォーム一覧は下記リンクからチェックしてください。
これまで、どのようなイベントに利用されたか活用実績を確認してみましょう。また、どのような会社で実際に導入されたかも合わせてチェックすることをおすすめします。開催したい目的や用途に近い活用実績を見て、これから利用しようと考えているイベントと合うかどうか検討しましょう。
既存プラットフォームを選ぶ場合、自社で構築するのに比べ費用面は安くなる傾向にあるものの、予算内に収まるかどうか、料金プランのチェックは重要なポイントです。イベントの規模によって料金プランは大きく変わることが多いため、予定しているイベントに合わせて計算してみましょう。
イベントのリハーサルや当日にサポートしてくれるプラットフォームであれば、万が一トラブルなどが起こっても安心です。また、他のプラットフォームを使い慣れている場合でも、勝手が異なることがあります。イベントをスムーズに進めていくために、サポート体制が充実しているかどうかは重要なポイントです。
世界のメタバース市場規模は2021年に約630億米ドルに達し、2030年には約1兆6100億米ドルに拡大すると言われています。これは10年で約25倍に市場規模が拡大すると言われているということです。
注目を集める大きな要因のひとつは、2021年にFacebook社が社名をMetaに変更して本格参入を発表したこと。その他さまざまな大企業も続々と進出しています。また通信技術の発達、ブロックチェーンや3Dといった最新テクノロジーの進化、AR・VR機器の普及なども背景として挙げられます。もちろん、新型コロナウィルス感染拡大によるオンライン需要の増加も、メタバース拡大の追い風になっているといえるでしょう。
ゲームを始めとしたエンターテイメント業界や、それに関わるイベントで注目されることの多かったメタバースですが、最近ではビジネスシーンでの活用も広がっています。
メタバースを利用した例としては、仮想空間のオフィスにアバターで出社するバーチャルオフィスがあります。バーチャルでありながら自然な会話を実現し、まるで同じ空間にいるような臨場感を再現しています。
メタバースではアイデア次第でさまざまなイベントが開催できます。いつも会社で開催しているセミナーや発表会、展示会などもメタバースで行うことが可能です。最近では、下記のようなイベントがメタバースで開催されています。
・セミナー・講習会
・展示会
・新作発表会
・ショールーム
・商談会
・就活イベント
・学会
・投資家向け共同説明会
・音楽ライブ
・スポーツ観戦
・観光地ツアー
・交流イベント など
メタバースでイベントを開催することで、メタバースならではのメリットを享受できます。それぞれについて、詳しくご紹介します。
・ニュース性があるため集客しやすい
・参加者とコミュニケーションがとりやすい
・場所や天候、時間の縛りから解放される
・参加者の心理的ハードルが低い
・カスタマイズによって収容人数を増やせる
これまでリアルなイベントや2Dイベントを何度も行ってきた場合は、すでに参加者が飽きてきている可能性があります。メタバースイベントはまだ始まったばかりの試み。導入している企業も少ないため、参加したことのない人も多いでしょう。
たとえば、空に魚を泳がせたり、完成予定の建物を仮想空間に出現させることで、まるでその場にいるようなイメージを演出したりするなど、仮想空間ならではの演出も可能です。エンターテイメント性の高い、楽しめるイベントは注目を浴びるでしょう。このようなメタバースでの開催はニュース性もあり、目を引きやすくなります。話題になれば集客アップも見込めるでしょう。
リアルなイベントと異なり、メタバースイベントでは好きなタイミングで相手に話しかけることもできます。主催者側も参加者側も心理的に楽なコミュニケーションが可能となるのも、メタバースならではのメリットでしょう。
オンラインのイベントでは、話し手と聞き手の立場が明確に分かれており、主催者からの一方的な解説で終わってしまうことも多いです。自ら仮想空間に入っていき、操作しながらコミュニケーションが取れることで、刺激を感じられるでしょう。
また、アバターに感情を表す機能が搭載されているものもあり、コミュニケーションを図りやすくなっています。リアルとは異なる、仮想空間ならではのリアリティや特別感も味わえるでしょう。
メタバースイベントはインターネット上で開催されるため、参加者はどこにいてもどんな天候であっても、ネット環境さえあれば利用することができます。台風や大雪による交通機関の遅れなどの心配もないため、中止する可能性もぐっと下がるでしょう。国内に限らず、海外にいてもネット環境が整えば、どこでも参加することができます。場所を問わないことで、世界中から参加者を募集することも可能です。
また、展示会のようにいつでも参加できるイベントにすれば、時間の制約もなく、参加者自身の都合に合わせて気軽に参加できます。通勤時間や仕事の休憩時間を活用して、イベントに参加することも可能なのです。
メタバースイベントは会場まで移動する必要がないため、参加者は時間やお金をかけることがありません。「参加したい」と思ったら参加できる気楽さがあり、心理的ハードルが低いといえるでしょう。
また、アバターを使うため顔出しする必要もないことも、気軽に参加できる要素であることも見逃せません。実際に接触することもないため、感染症の心配もなく安心です。
メタバース空間では、プラットフォームのサーバー設定次第で参加者の収容人数を変えることができます。リアルなイベントでは会場収容人数に限りがあり、予想以上に希望者が増えても、収容人数を増やすことができません。また、新型コロナウィルスの影響で、人数制限をかけなければならない状況に、歯がゆい思いをする主催者もいることでしょう。
メタバースイベントでは、感染症の観点でも人数に制約がありません。もちろん、会場のサイズに合わせて人数を制限する必要もなく、参加を希望する多くの人に楽しんでもらうことができるでしょう。
近年、各企業がさまざまな形でメタバースに取り組んでいます。実際にメタバースを導入してイベント開催している事例をご紹介します。
世界中から100万人以上が来場し、ギネス世界記録にも認定された世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」。メタバース内で3Dデータ商品やリアル商品を売買することができます。「バーチャルマーケット2022 Summer」ではコンセプトの異なる「ワールド」と呼ばれる12会場が用意されたほどの、大人気イベントです。
有名アーティストのバーチャル音楽ライブやVtuberによるライブイベント、ゲーム、クリエイターとの交流など、さまざまな楽しみ方ができます。
VR関連企業やゲーム業界を中心に、これまでにJR西日本・みずほ銀行・ビームス・JVCケンウッド・大丸松坂屋百貨店・三井住友海上火災保険・ヤマハ発動機などさまざまな業界の企業が出展しています。
東京都渋谷区公認の配信プラットフォームで、メタバースプラットフォーム「Cluster」アプリから、スマートフォン・PC・VRゴーグルで参加します。
ハロウィンイベント・クリスマスイベント・トークショー・音楽ライブ・サッカー観戦などに、実際に渋谷に出向くことなく、メタバース上に作られた「もう1つの渋谷」で参加できます。Adobe・英会話AEON・JALなどさまざまな企業や有名アーティスも協賛している注目のイベントです。
ファッションイベント「東京ガールズコレクション」は、2022年に専用アプリからメタバース上で楽しめるようになりました。自分のアバターを作り、デジタルコインを貯めてアバターの洋服やアクセサリーを購入できるほか、巨大迷路などさまざまな体験コンテンツも用意されています。
また、リアル開催の「東京ガールズコレクション」と連動して、メタバース内のステージでライブ視聴も可能です。
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が主催するゲームの祭典は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で2020年、2021年はオンラインでの開催になりました。2021年はメタバースプラットフォームによるVR会場が用意され、2022年はリアル会場とVR会場のハイブリッド開催が話題になりました。
リアル会場でも、出展各社がメタバースに対応したVR技術やゲームをアピールするなど、ゲームとメタバースの進化を感じられるイベントです。
日産が銀座にて運営する「NISSAN CROSSING」。実在のギャラリーを忠実に再現したバーチャル会場には、ソーシャルVRアプリ「VR Chat」内で自由に訪れることができます。会場内に電気自動車「日産アリア」の展示を行っています。
今後、「NISSAN CROSSING」で、新車発表会や講演などさまざまな発信やコンテンツの発信が予定されています。
メタバースイベント「シーコン・メタバースEXPO 2022」は、ZIKUのプラットフォームを利用して開催されました。これまでのウェビナーの課題を解決し、リアルイベントのように出展企業と来場者間の双方向コミュニケーションを実現することや、来場者に出展企業の製品、サービスを深く理解してもらうことを目的としていました。
ウェビナーだけでは伝えきれない情報を来場者に提供することができ、またコミュニケーションがとりやすかったことから、その後のアプローチにつなげることに成功した事例で、集客面では、前回比416%と大きく向上しました。
ZIKUの提供するメタバースプラットフォームを利用してイベントを開催する場合は、初期費用55万円、1ブース16.5万円~、来場者従量1,000人ごとに22万円になります。また、オプションで1講演追加すると、3.3万円のみプラスされます。
初期費用には専用データベース費用も含まれ、ブースには1公演枠の開催権も含まれていて、分かりやすい料金設定になっています。来場者数に合わせて料金をプラスしていけばよいため無駄がなく、初めてメタバースイベントを開催する事業者様にもおすすめです。
メタバースイベントについて、費用面や選ぶ際のポイントをご紹介しました。時間や場所が制限されないメタバースイベントは、これまで参加をためらっていた層も取り込むことができるでしょう。
メタバースイベントを開催するために、自社で開発を行うこともできますが、費用が高くなることがほとんどです。プラットフォームを利用すると、費用の負担も軽くなるだけでなく、導入も楽にできます。
メタバースイベントプラットフォーム“ZIKU”は、料金も分かりやすく、メタバースイベントが初めての事業者様でも安心です。ぜひ、“ZIKU”のサービスをチェックしてみてください。